レゴ 溝カムとGBCトレイン用積み込みクレーン
カム機構を調べていて面白い機構を見つけました。このサイトは色々な機構がのっていて面白いです。
http://d-r-o.jp/library/file10/file10.html
このページの下側の間欠動作をする溝カムをレゴで作ってみました。説明用動画です。
長いストロークで間欠運動が作りたいときに便利そうです。こういう機構は昔からあるらしいですが、あまり本などに載っていないので知りませんでした。両端で物理的にロックされる安心感が良いです。この機構はレゴのからくり機械の可能性が大きく広げてくれる気がします。欠点はスライダ部分が2つあるのでレゴで作ると大きく複雑になってしまうことでしょうか。
この機構はいろいろ応用ができそうです。pneumaticの自動運転をする際、動作が終わる前に次のバルブが動いてしまう問題がありますが、この溝カムを使うと動作が終わった後に次のバルブを動かすということが確実にできます。
今回は応用例としてGBCのトレインモジュール用のクレーン式積み込み機を作ってみました。このカムを使って、モーター1つの完全機械制御で出来るだけ複雑な動きをさせたかったというのが動機なので、機能的には以前のベルトコンベア式の積み込み機に比べて、積み込みが遅い、装置が大きい、複雑、ロスが大きい、という欠点しかありません。すべての動作をトレインに内蔵しているモーターで動かしています。
クレーンの下側にある長いスライダをトレイン側のモーターで駆動するようになっていて、その長いスライダが原動節となり、カムによってクレーンが決められた動作をするようになっています。クレーン駆動用のチェーンの個数は160個で、トレインのクラッチ切り替え用バネと正確に同期を取るために個数を計算しています。
台形の溝がクレーンの上下をコントロールするカムです。スライダの中にチェーンが入っていて、直線往復運動を作っています。
白いブロックでできた溝が上側のスライダを動かし、クレーンの左右移動を作ります。
上下のスライダの間のS字型の溝が見えます。
黄色いピンを下に押し下げることで、ストッパーを外してボールを積み込みます。
パワーを有効に使うためのカウンターウエイトです。
ガイドはプーリーでビームの角を挟み込む形式で、以前より滑らかで遊びが少なくなりました。
背面は強度確保のために筋交いを入れています。
動画を撮った後で気がつきましたが、コンテナがずれないための白いストッパーの根元が歪んで機能してませんでした。本当はきちんとストッパーが下まで下がるようになっています。
線路脇にある機構が複雑になってしまいました。これはある問題が発生したためです。トレインの動力をギアを使って線路側に伝えていますが、この時トレインを車止めに押し付ける方向に力が働くようにギアの回転方向を設定しています。発車するときには車輪の摩擦力がこのギアの反力に勝つ必要がありますが、クレーンの動かす負荷が大きく負けてしまいました。この力が発生しないようにクラッチのかみ合う向きを変えるというのが正しい解決法と思いますが、それがトレインのスペース的にできなかったので、線路側の機構を工夫して解決しました。デフギアを利用し、発車の時に一定回転だけ回転をクレーンへ伝えずにデフギアで吸収する機構を作りました。動画をよく見ると発射の瞬間だけデフギアの外側が回っているのが分かります。美しい機構とは言えないですが、一応問題は解決できました。
電車側はクラッチを動かす棒がだんだんずれてくる問題があったので、ずれないよう改良しました。トレインはポイントを通過できるようにすると床下の出っ張り制限が急に厳しくなります。ビームの裏側にプレートを貼ってもアウトだし、16歯ギアもかすります。
GBCトレインモジュールは機械式のクラッチではなく、電気スイッチを使った形式も試しているんですが、止まっているときに車輪を浮かす手段で迷っています。プラレールのストップレールは良くできてるなと思いました。
作ってみた感想として、体感難易度はボール工場よりもやや高かったです。ボール工場はそれぞれの動作のストロークがせいぜい数ポッチなのに対して、これはそれぞれの動きが大きいので、リニアガイドを作るのが難しかったです。リニアガイドに様々な方向から力が加わるのが厄介でした。また、使える動力がトレインに搭載されているPF Mモーター1つだけで、使えるパワーが限られているのが辛かったです。現在の減速比で一連のボールの積み込み動作が約20秒、一回の運搬量が約30個なので、GBCの1ボール毎秒の処理速度ぎりぎりという感じです。
- [2012/08/07 23:05]
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コメント
素晴らしすぎて鼻血が出た
> 素晴らしすぎて鼻血が出た
ありがとうございます
Mモーター1個でよくここまで動かせるもんだ。凄いな。
ガイドレールにプーリーは見事です。エレベーターのウエイトにも似たような車輪があったな。
>ももんがさん
コメントありがとうございます。
Mモーター1個はやっぱり無理があって、動画では軽く動いてるように見えますが、実際は負荷が大きすぎてモーターが悲鳴を上げています。
プーリー式のガイドはちょうどいい固定法を見つけるのに1日苦労したのでうれしいです。
これは感動した。自分なら1日中眺めていても飽きないでしょう。設計図が欲しいくらいです。
>ほくそうさん
コメントありがとうございます。
うれしいです。自分もこういう機械仕掛けは好きなのでずっと眺めてしまいます。
拝見しました。
お見事過ぎて、少しの間言葉が出ない程でした。
今後の作品への期待も込めて、頑張ってください。
>Kさん
ありがとうございます。
これからも頑張ります。
作品の凄さにいつも驚いています。
こういった間欠動作の仕組みやその他の作品の複雑の動きの仕組みなどは、どこで教えてもらっているんですか?
>taiyoslimeさん
コメントありがとうございます。
Youtubeに上がっている機械の動画などを参考にして作っています。この間欠動作はこの記事の最初で紹介したサイトで知りました。
なるほど。ありがとうございます。
すごすぎ
ヤバい! 見入ってしまいました!
僕も、こうゆうの作ってみたいです!(^o^)
良かったら、色々作り方教えて下さい!
>kokさん
ありがとうございます。
作り方の紹介は時間と労力が多くかかるので、すみませんが現時点ではちょっと難しいです。
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